天山の巫女ソニン

標準

生まれてすぐに親元から離され、見習い巫女としての特別な生活を送っていた少女・ソニン。12歳になった彼女はしかし「見込み違い」だったとして再び家族の元へ戻されてしまいます。そのまま農民の娘として一生を送るのかと思いきや、思いがけない転機が訪れ国を揺るがす事件の渦中へと飛び込むことに。

一応児童文学ジャンル作品です。
実は前から気になっていたのですが単行本だと手が出しづらいと唸っていたところめでたくもノベルズ化。
児童文学畑の作品だけあって文章/構成に無駄がなく、展開が詰まっていて最後まで読ませる面白さを考慮してある作品だと感じました。

特筆すべきは主人公ソニンの真っ白な画用紙のごとき素直さ。巫女としての清浄な暮らしから世俗へと放り出された彼女ですが、どんなことも素直に見つめて等身大で受け止め、何の計算もなく自分にとって真実大事ものを見極めていきます。
自分の本質を微塵も変える事なく柔軟に学び、感じ、行動して、成長していくその清浄な姿勢に、作為的な嫌味は感じられません。

境遇がどうあろうとも、意識することすらなく不変の無垢さを保つソニン。
彼女を目の当たりにしていると、同じ境遇となって真逆の道を進んだレンヒ(彼女は本物の頭脳明晰悪女で納得。いいキャラだった)や言葉を発せられないというハンデを負っているイウォル王子、それぞれがその境遇から背負いこんだ心の陰りを思い知らされずにはいられないのかもしれません。ついでに、読み手もまた…。

ソニン、眩しい…!