「アッコちゃんの時代」を読んでの感想

標準

バブルを書かせたら林真理子さんの右に出るものはいないと前々から思っていたのですが、この小説は数ある林さんのバブル小説の中でもズバ抜けて面白かったです。

実話を元にしているから元ネタが良かったのもあるのですが、やはり林さんが書いたからこの物語は面白かったんだと思います。

女の子の語尾の伸ばし方とか、人の劣等感や優越感をくすぐる人物描写や、中身が詰まった小説なのにテンポが良く読みやすいところとか、林さんの文体や表現はバブルのイキイキ感やギラついた感じととてもマッチしていました。

そして、登場人物がみんな主人公レベルのキャラやストーリーを持っているところも面白いポイントです。

やはり一番感情移入してしまうのは主人公ですが、恵まれた容姿をしている主人公が、自分は損をしていると悩んだり不幸な出来事に多々遭遇して悩む所を読んでいると、美人ってだけで得な人生を生きているて羨ましいと思っていた私の思い込みがぶち壊されました。

また、バブルを知らない世代の人間からしたら信じられないことが本当にたくさんありました。バブルの話は親やテレビから聞いたことはあったのですが、それでもこの小説を読んでいるとカルチャーショックの連続でした。

パワーに溢れているけれど不安定なバブル時代か、不景気と言われつつもどこか安定していて現実的な現代か、どっちがいいのかな?と考えたり、自分がこの時代に生きていたらどんな風に過ごしただろうかと妄想したり、そんな楽しみ方もオススメです。

この小説は私に生きる活力をくれる小説でした。